「サラリーマン金太郎」は、本宮ひろ志が1994年から2016年まで週刊ヤングジャンプで連載した人気漫画作品です。

元暴走族の総長が企業社会に飛び込み、型破りな行動力で様々な困難を乗り越えていく姿を描いたビジネス漫画として多くの読者を魅了しました。

その人気は企業とのコラボレーション広告にも及び、日本のサラリーマン像に新たな風を吹き込んだ作品として、社会現象にもなりました。

主人公・矢島金太郎の「サラリーマンをなめんじゃねえ！」という言葉は、多くの働く人々の心に響く名セリフとなっています。

サラリーマン金太郎のあらすじ

暴走族集団「八州連合」の元ヘッドだった矢島金太郎は、亡き妻・明美の故郷で息子の竜太とともに漁師として静かな生活を送っていました。

ある日、海で漂流中のヤマト建設会長・大和守之助を救助したことをきっかけに、金太郎はヤマト建設に見習い社員として入社することになります。

しかし当時のヤマト建設は、官僚から天下りしてきた大島社長が専横を極め、創業者である守之助会長や創業時からの黒川専務は退陣を迫られる厳しい状況にありました。

サラリーマン金太郎の主な登場人物

矢島金太郎（やじま きんたろう）

本作の主人公で、かつて暴走族集団「八州連合」の総長を務めていた男。亡き妻の故郷で漁師をしていたが、ヤマト建設会長・大和守之助を救ったことがきっかけで、同社の庶務係として入社することに。「サラリーマンをなめんじゃねえ！」が口癖で、型破りな行動力と正義感、そして人情味あふれる人柄で周囲を味方につけていきます。見習い社員から始まり、大島社長追放後に正社員として営業部に配属され、鉛筆削りなど地道な仕事も丁寧にこなしつつ、持ち前の勇気と度胸で様々な困難を打開していきます。

大和守之助（やまと もりのすけ）

ヤマト建設の創業者にして初代社長、物語開始時点では会長職。金太郎に命を救われたことから、彼の最大の理解者となります。「ヤマトは元々土建業だ。喧嘩の一つや二つ出来んでどうする」と金太郎の型破りな行動を擁護するなど、温厚ながらも芯の強い人物。オーナーとしての権限を行使して金太郎たちの雇用を守るなど、社員からも慕われる人格者です。

矢島（旧姓：末永）美鈴

銀座高級クラブ「ジャルダン」のママであり、政界大物・故黒田征四郎の元愛人。政財界に強い人脈を持つ切れ者。三田との勝負で連れてこられた金太郎に一目ぼれし、彼の「全財産を美々に贈与し身一つで来て欲しい」という条件を受け入れ結婚。娘の美香を出産。

まとめ

「サラリーマン金太郎」は、元暴走族総長が企業社会という新たな戦場で、持ち前の正義感と行動力で成長していく姿を描いた作品です。

企業における権力闘争や組織の腐敗、そして日本のバブル崩壊後の経済状況など、当時の社会背景を色濃く反映した内容も本作の魅力です。

20年以上にわたって連載され、複数のシリーズ展開や実写ドラマ化もされた本作は、単なるビジネス漫画の枠を超え、働く人々のあるべき姿や企業社会における人間らしさとは何かを問いかける社会的メッセージ性の強い作品として、今なお多くの読者に支持されています。