藤本タツキが原作を手掛ける「チェンソーマン」は、2022年10月11日からテレビ東京系列ほかにて放送されたアニメ作品である。

MAPPA制作により、製作委員会方式ではなく同社の単独出資で制作された話題作で、チェンソーの悪魔ポチタと契約した少年デンジが悪魔の心臓を持つ「チェンソーマン」として蘇り、悪魔たちと戦うダークヒーローアクションである。

全12話で構成され、米津玄師による主題歌「KICK BACK」も世界的ヒットを記録した。

概要・あらすじ

チェンソーの悪魔ポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年デンジ。

親が遺した借金返済のため、ド底辺の日々を送る中、裏切りに遭い殺されてしまう。薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、悪魔の心臓を持つもの「チェンソーマン」として蘇る。

内閣官房長官直属のデビルハンター・マキマと出会い、公安対魔特異4課に所属することになったデンジは、先輩の早川アキや血の魔人パワーと共に様々な悪魔と戦いながら、普通の生活への憧れを抱き続けていく。

登場人物

デンジ（声優：戸谷菊之介）

チェンソーの悪魔ポチタと契約し、チェンソーマンとして蘇った主人公。貧困生活を送っていたが、マキマとの出会いで公安のデビルハンターとなる。普通の生活への憧れを持ち、女性の胸を揉むことやマキマとのデートなど分かりやすい欲望を抱く素直な性格。戸谷菊之介は1998年11月30日生まれの声優で、本作がアニメのメインキャスト初挑戦となった。オーディション時から原作のファンで、デンジの人間らしさを全身全霊で表現している。

マキマ（声優：楠木ともり）

内閣官房長官直属のデビルハンターで、公安対魔特異4課を率いる女性。デンジの憧れの存在でもあり、彼に普通の生活を与える代わりに忠誠を求める。美しく謎めいた魅力を持ち、強大な力を秘めている。楠木ともりは1999年12月22日生まれ、東京都出身の声優兼シンガーソングライター。原作を読んでマキマの魅力に惹かれ、その複雑な内面を丁寧に演じている。

早川アキ（声優：坂田将吾）

デンジの先輩にあたるデビルハンター。真面目で責任感が強く、当初はデンジとパワーに対して厳しい態度を取るが、次第に家族のような絆を築いていく。狐の悪魔と契約している。坂田将吾は1月23日生まれ、熊本県出身の声優で、原作ファンとして作品への愛情を語り、最高の早川アキを届けることを誓っている。オーディション以前から原作を愛読していた熱心なファンでもある。

見どころ

本作最大の見どころは、MAPPAによる圧倒的なアニメーション技術である。

手描きと3DCGを巧妙に組み合わせ、原作の持つ狂気的な世界観を見事に映像化している。特にチェンソーマンの変身シーンや悪魔との戦闘シーンは、原作を上回る迫力で描かれている。

また、毎話異なるエンディング映像と楽曲も話題となり、ano、Eve、Aimer、ずっと真夜中でいいのに。など豪華アーティストが参加した。

中山竜監督による映画的な演出と、過激な描写を「起こった通りに」描くリアリズムも魅力の一つである。

どこで見れるか

アニメ「チェンソーマン」は、2022年10月11日からテレビ東京系列ほかにて放送され、Prime Videoでは深夜1時より最速配信が行われた。現在はPrime Video、Netflix、Hulu、dアニメストア、U-NEXTなど主要な動画配信サービスで視聴可能となっている。また、Blu-ray&DVDも全4巻で発売中。続編となる劇場版「チェンソーマン レゼ篇」が2025年9月19日に全国公開されており、米津玄師と宇多田ヒカルがコラボレーションしたエンディングテーマでも話題となっている。

まとめ

「チェンソーマン」は、藤本タツキの独創的な世界観をMAPPAの高い技術力で映像化した傑作アニメである。

製作委員会方式を採用せず、MAPPA単独出資という異例の制作体制により、原作の魅力を余すことなく表現することに成功した。

戸谷菊之介をはじめとする声優陣の熱演と、米津玄師による主題歌の世界的ヒットも相まって、国内外で絶大な人気を獲得。従来の少年漫画の枠を超えたダークヒーロー作品として、新たなアニメの可能性を示した記念すべき作品となっている。