「LUPIN ZERO」は、世界的に愛される大泥棒ルパン三世の少年時代を描いたアニメ作品です。

1967年にモンキー・パンチによって連載が開始された人気漫画『ルパン三世』の原点に立ち返り、まだ何者でもない「少年ルパン」がいかにして伝説の大泥棒となったのかを描くオリジナルストーリーです。

舞台は原作連載当初の昭和30年代、高度経済成長期の日本を背景に、青い少年が悪党への階段を登っていく姿を描きます。制作は多くの『ルパン三世』シリーズを手掛けるテレコム・アニメーションフィルムが担当。

キャストには畠中祐（ルパン役）、武内駿輔（次元役）、早見沙織（ヒロイン・洋子役）といった人気声優を起用し、懐かしくも新しいルパンの世界を創造しています。

あらすじ

世界を股にかけて活躍する世紀の大泥棒ルパン三世にも、まだ青い「少年時代」がありました。

昭和30年代の日本、高度経済成長期の活気あふれる時代に、まだ何者でもない少年ルパンが様々な冒険と試練を通じて成長していきます。

物語では少年と悪党とのスリルある対決、父親・ルパン二世や祖父・ルパン一世との因縁、そして後に相棒となる次元との運命的な出会いが描かれます。原作でも描かれている「少年ルパン」編からヒントを得つつ、全く新しいオリジナルストーリーが展開され、ルパンが憧れるヒロイン・洋子との関係も重要な要素として組み込まれています。

少年が悪党への階段を一歩ずつ登っていく過程で、彼が何を思い、どんな決断を下していくのか、誰もが知っている大泥棒の誰も知らない「はじまり」の物語が紡がれていきます。

主な登場人物

少年ルパン（畠中祐）

本作の主人公で、後に世紀の大泥棒となるルパン三世の少年時代の姿。まだ何者でもない青い少年だが、持ち前の機転の良さと度胸で様々な困難に立ち向かっていく。昭和30年代の高度経済成長期の日本を舞台に、悪党たちとのスリルあふれる対決を繰り広げながら成長していく。父親・ルパン二世や祖父・ルパン一世といった家族との複雑な関係を抱えており、それが彼の人格形成に大きな影響を与えている。まだ幼さの残る外見ながらも、将来の大泥棒としての片鱗を見せる場面もあり、彼がいかにしてルパン三世となったのかを知る上で重要なキャラクター。畠中祐の演技により、少年らしい純粋さと将来の狡猾さが絶妙に表現されている。

次元（武内駿輔）

後にルパンの相棒となる次元大介の若き日の姿。本作では少年ルパンとの出会いが描かれ、二人の長きにわたる友情の始まりが明かされる。既に射撃の腕前は一流で、クールで寡黙な性格も健在だが、まだ若さゆえの熱さも残している。少年ルパンとは最初から息が合うわけではなく、様々な事件を通じて徐々に信頼関係を築いていく過程が丁寧に描かれている。武内駿輔の声により、大人の次元の面影を残しつつも、若々しさと情熱を持った青年として魅力的に表現されている。ルパンとの関係性の変化が、物語の重要な軸の一つとなっており、ファンにとっては見逃せないキャラクターである。

洋子（早見沙織）

少年ルパンが憧れを抱くヒロイン。昭和30年代の時代背景に合った、清楚で美しい女性として描かれている。ルパンにとっては特別な存在であり、彼の成長や価値観の形成に大きな影響を与える人物。物語の中では様々な事件に巻き込まれることもあり、少年ルパンが彼女を守ろうとする姿が描かれる。早見沙織の透明感のある声質により、時代の雰囲気にぴったりの上品で愛らしいキャラクターとして表現されている。ルパンとの関係は純粋で美しく、後の女性関係とは異なる初恋のような特別さを持っている。彼女の存在がルパンの人格形成にどのような影響を与えるのかが、物語の見どころの一つとなっている。

まとめ

「LUPIN ZERO」は、誰もが知る伝説の大泥棒ルパン三世の知られざる原点が描かれています。

昭和30年代という時代設定により、高度経済成長期の日本の活気と雰囲気が見事に再現され、ノスタルジックでありながら新鮮な世界観を創り出しています。

少年ルパンの成長物語は単なる冒険譚にとどまらず、家族との複雑な関係や次元との友情の芽生え、洋子への憧れなど、人間ドラマとしても深みのある内容となっています。

原作ファンにとっては長年の謎であったルパンの少年時代が明かされる貴重な機会であり、新規視聴者にとってもルパン三世の世界への入門編として最適な作品です。