式年遷宮に向け「御船代祭」 三重・伊勢神宮など

伊勢神宮で2033年に予定されている式年遷宮に向けて、ご神体を納めた器をさらに納める外箱のご用材を伐り出す「御船代祭(みふなしろさい)」が17日、三重県の伊勢神宮内宮と長野県で営まれました。
「御船代」は、ご神体を納めた器「御樋代(みひしろ)」をさらに納める容器です。
伊勢神宮・内宮で行われた「御船代祭」は宮域内に設けられた宮山祭場で営まれました。
おごそかな雰囲気の中、神職など約70人や神に仕える「物忌(ものいみ)」役の子どもが参加し、緊張の面持ちで祭儀に臨みました。
神職が祭場をはらい清めたあと供え物をささげ、御用材の伐採の安全と立派な御船代の奉製を祈りました。
そして物忌が斧で木を伐る儀を行い、祭儀を終えました。
内宮の10の別宮「荒祭宮」や「月讀宮」「瀧原宮」などでも祭儀が営まれました。
また、内宮の祭儀に合わせて長野県上松町の山中では「御船代」の御用材が伐採されました。
地元の人と神宮の職員からなる「杣夫(そまふ)」と呼ばれる人たち合わせて15人が、交代しながら御用材となる樹齢約280年、高さ約35メートル、胸高直径96センチの檜に3方向からオノを入れました。
御船代祭は19日に伊勢神宮・外宮でも営まれ、岐阜県中津川市の山中で御用材がきり出されます。