千枚田に幻想的な光景 豊作を願う「虫おくり」
三重県熊野市紀和町の丸山千枚田で、7日夜、豊作を願う「虫おくり」が行われ、斜面に連なる大小千枚以上の棚田が、あぜ道のろうそくに照らされ、幻想的な光景が広がりました。
「虫おくり」はたいまつの火と太鼓やかねの音で害虫を追い払う儀式で、熊野市の丸山千枚田では1954年以降途絶えていましたが、熊野古道が世界遺産に登録された2004年に復活しました。
2010年からは、当時の田んぼの枚数と同じ1340本のろうそくに灯をともしています。
棚田を管理する丸山千枚田保存会の喜田俊生会長や地元の小中学生ら25人が、たいまつを手に「虫おくり殿のお通りだい」と声を掛けながら威勢良く太鼓やかねをたたき、練り歩きました。
名古屋から訪れた観光客は「すごい数の光で思っていた以上にきれいだった。千枚田には初めて来たが、伝統を感じられた」と幻想的な風景に見入っていました。
(取材:中日新聞・熊野通信局)