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住み慣れた地域で最後まで 医師の少ない町での訪問看護

 12日は「看護の日」です。高齢者の増加に伴い、医療の現場で需要が高まっているのが在宅医療。医師の少ない町で訪問看護を普及しようという取り組みを取材しました。

 大阪で訪問看護の運営に携わってきた、横山瞳さん。去年4月から伊賀市大山田地区で訪問看護プロジェクト「いなかんご」を始めました。

 横山さんは「伊賀市大山田地区は大阪とうってかわって訪問看護は見当たらない。家で過ごすために必要な診療所も2つしかない。病院もすごく遠い。私たちが看護の分野・視点で何とかできるのでは」とスタートのきっかけについて話します。

 高齢化社会によって医療のニーズが増す一方で、受け皿となる病院数が不足することが懸念され、自宅で治療を受ける在宅医療の需要が高まってきています。

 「いなかんご」では、住み慣れた地域で最期まで暮らしたいという高齢者も多いことから、高齢化率の高い伊賀市大山田地区で訪問看護を行い、月に200件ほどの訪問を担っています。

 看護師の林莉穂さんは「利用者が『来てくれるのが楽しみ』と言ってくれて、少しでも役に立てているのかなと思っています」と仕事にやりがいを感じています。

 現在は4人の看護師が、利用者のかかりつけ医と連絡を重ねながら、訪問看護のサービスにあたっています。

 また、地域のイベントなどにも出向き、サービスの周知や、看護師の確保にも努めています。

 「自宅で過ごしている利用者は病気を抱えていても生き生きとしている。『やっぱり家が良かった』『帰ってきて良かった』その言葉はすごく嬉しいし、利用者を一緒にサポートしたい」と語る林さん。今後さらに必要性が増すであろう在宅医療。一方で、医療現場の担い手不足なども課題となっています。

 「いなかんご」を運営する横山さんは、「地域全体で患者や高齢者を支えていくことが必要」と話します。

 横山さんは「医師など、いろんな職種の方と連携して、やっと一人の訪問看護ができるので、自宅で過ごすためにどういう選択肢があるかなど、地域全体で学んでいく必要がある」とこれからの目標について語っていました。

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