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輪島塗とアートの融合 輪島で被災した作家の個展が伊勢で

石川県の伝統工芸品、輪島塗の蒔絵師から転身した画家で、能登半島地震の被災後も創作活動を続ける、藤原昭二さんの初めての個展が4日から3日間、三重県伊勢市のギャラリーで開かれています。

 繊細な線画と柔らかな肌の質感を持つ写実的な女性が描かれ、背景には金粉や金箔などを使い、輪島塗の蒔絵の技法が施された作品。

 藤原昭二さんは輪島塗の蒔絵師の経歴を持つ画家で、会場には輪島塗とアートが融合した油絵4点と、版画18点の合わせて22点が展示されています。

 「ジークレー」と云われるデジタル技術を使った版画には蒔絵も施されていて、版画でありながら同じ作品はひとつとしてありません。

 藤原さんは「実際に発色だとか、輪島塗で使われていた素材、金や金粉・金箔、貝などの表現をアートとして見ていただければ嬉しい」と話していました。

 輪島市内にあったアトリエ兼自宅は去年、能登半島地震で半壊し、現在は石川県内の移住先で創作活動を行っていますが、被災で多くの画材も失い、震災後は金箔や漆などが手に入りづらくなっているということです。

 藤原昭二さんの個展は、伊勢市にある外宮参道ギャラリーで6日まで開かれています。

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