銃弾がめりこんだ駅舎の柱の一部など 戦争の悲惨さ伝える企画展 三重県立熊野古道センター
太平洋戦争の終戦から今年で80年です。三重県尾鷲市の県立熊野古道センターでは、戦争の悲惨さや教訓を伝える企画展が開かれています。
戦後80年を迎え、戦争を体験として語れる人が少なくなる中、地域に残された遺物を通して、戦争を知るきっかけにしてほしいと企画されたものです。
会場には、個人から借り受けた除隊記念のさかずきや切手、海軍や陸軍の帽子や水筒、それに「武運長久」と書かれた日の丸など、多くの遺品が並んでいます。
なかには1945年に、紀北町の三野瀬駅で列車が米軍の戦闘機に機銃掃射され、乗客13人が犠牲となった際に、銃弾がめり込んだ駅舎の柱の一部も展示されています。
また、戦艦大和の乗組員による手記や、戦地から家族に送られた軍事郵便のはがきなどもあり、兵士たちの切実な思いが伝わってきます。
三重県立熊野古道センターアシスタントコーディネーターの小島礼子さんは「80年以上前の出来事に思いをはせて、戦争と平和を考える機会にしていただければ」と話していました。
この企画展は尾鷲市の三重県立熊野古道センターで11月9日まで開かれています。