“鼻の捜査官”目指し26頭が審査 民間で飼育される「嘱託警察犬」
行方不明者の捜索や犯罪捜査などにあたる警察犬。その審査会が27日、三重県鈴鹿市で開かれました。
今年は、シェパードやラブラドール・リトリーバーなど26頭が参加しました。
人間の数千倍ともいう嗅覚で「鼻の捜査官」として、行方不明者の捜索などで活躍が期待される警察犬ですが、実は、この犬たちのパートナーは警察官ではありません。
三重県警察本部刑事部鑑識課の伊藤俊介警部は「民間の方なんですけれども、その方に犬を飼育してもらって、優秀な能力のある犬を『嘱託警察犬』として委嘱している」と説明しました。
三重県には警察が直接飼育する警察犬がおらず、民間で飼育する「嘱託警察犬」とそのパートナーの力が欠かせません。
「嘱託警察犬」の採用は全国で広がっていて、去年は、全国にいる警察犬のうち約9割が「嘱託警察犬」でした。
審査は、においを手掛かりに対象の行方を追う能力や、遺留品のにおいを嗅ぎ分ける能力など、3つの部門で行われ、厳しい審査に合格した犬たちが、来年1年間、警察犬として活動します。
今年初めて審査に参加した犬について、パートナーは「まだ1歳ちょっとで、でき上がっていない中ですごく頑張ってくれて、優しい子なので、人にも犬にもあまり気にしないので、物怖じはしないかな」と話しました。
また、別の犬のパートナーは「めちゃくちゃ人が好きで、ほかの犬の間に割って入るくらい。人が好きっていうのは、捜査する場所や現場はたくさん人がいるところに呼ばれるので、人がいても影響を受けにくいという意味では良いところだと思います」と、愛犬の性格を語りました。
警察からの要請に応じて出動する嘱託警察犬。去年は、43件の出動のうち42件が行方不明者の捜索でした。
去年、いなべ市で行方不明の高齢女性の発見に貢献したシェパードのカシオペヤ号。嘱託警察犬歴は10年近いというベテランです。
太田智恵さんは「寒い時期だったので、見つけないとお年寄りは凍死することも多いので、極力見つけてほしいとプレッシャーをかけられながら出動にあたったんですけど、無事に発見できて、おじいさんも泣くように喜んでもらえたのでホッとしました」と振り返りました。
太田さんが飼育するカシオペヤ号とケフェウス号は兄妹で、10年近く嘱託警察犬を務め、現在12歳。顔なじみも増える一方で、課題も。
太田さんは「三重県は小さい県なので、審査会に出ている人たちも少ないし、参加をやめられる方も結構増えてきていて、あまり知名度が三重県ってないと思うんですね。出動しても人にわーっと来られてしまったり。嘱託警察犬がもう少し広まれば、知名度が上がればいいのかな」と話しました。
今年、三重県で活動している嘱託警察犬は18頭。新たな捜査官の誕生に期待が集まります。