「描かれたアイヌの人々」武四郎記念館
北海道の名付け親として知られる松浦武四郎が、現在の北海道=蝦夷地を探検した際に描いたアイヌの人たちの姿を伝える絵や資料を展示する企画展が、三重県松阪市の松浦武四郎記念館で開かれています。
松阪市出身の松浦武四郎は幕末から明治初期にかけて活躍した探検家で、江戸時代後期に6回にわたり蝦夷地を探検し、アイヌの人たちと交流を図りました。
会場には、武四郎直筆の絵をはじめ江戸時代の絵師らよって描かれた当時のアイヌの人たちの暮らしぶりがわかる作品26点が展示されています。
武四郎は写真も映像もなかった時代にアイヌの人々の生活する姿を多く人に知ってほしいと自らの絵で表現しました。
その中の屏風には、弓矢の矢の向きを修正するアイヌの男性の姿が描かれています。
弓を使った狩猟はこの時代には珍しく、当時のアイヌの人たちの生活の様子を知ることが出来る貴重なものです。
また、絵だけではなく解説文を交えた「蝦夷漫画」を武四郎が書く際に構図の参考にしたとされる村上島之丞の作品も展示されていて、見比べることができます。
松浦武四郎記念館の山本命館長は「武四郎の絵があたたかく優しさにあふれている様子を見てほしい」と話しています。
企画展「描かれたアイヌの人々」は松阪市の松浦武四郎記念館で7月27日まで開かれています。