蔦屋重三郎の版本も 江戸時代の摺り物展
日本三大商人として知られる伊勢商人の中でもいち早く江戸に進出した、豪商・長谷川家に伝わる江戸時代の摺り物を紹介する企画展が、松阪市の旧長谷川治郎兵衛家で開かれています。
会場には「江戸のメディア王」蔦屋重三郎が出版した版本や、葛飾北斎が描いた画譜など、江戸時代の出版物から御札まで、長谷川家に伝わる様々な摺り物や版木など46点が展示されています。
信仰心が厚かったという長谷川家には、当主やその家族などが寺や神社で授けられたとされる600点あまりの紙製の御札が伝えられていて、中でも長谷川家の庇に空から降ってきたとされる伊勢神宮の御札は、大変めでたいものとして大切にされてきました。
このほか、8代当主・元貞の時代から現在に至るまで、長谷川家の火元に張られていたとされる「火の用心」の版木や当時の松阪市街の様子が描かれた版木を再利用した煙草盆なども展示され、当時の暮らしぶりに思いを馳せることができます。
この企画展は、松阪市の旧長谷川治郎兵衛家で7月6日(日)まで開かれています。