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●第8回 『神宮の営みと日本人の自然観』 

 常世とは、海の彼方にあるという理想郷。その常世から波が打ち寄せる国と考えられていた為、天照大神は伊勢の地を選ばれた−。

 伊勢神宮の内宮にまつられる天照大神。今から2000年前、「常世の重波寄せる国」に鎮まりたいと、伊勢に鎮座されたと神話は伝える。 私たちの住んでいる地球は、その表面積の約7割が水で覆われている。そして、そこにたくさん動物や植物が互いに関わり合って生きているのだ。 神さまには、鰒や伊勢海老など豪華な海の幸が供えられる。フリーアナウンサー・草野満代さんが海女漁の盛んな鳥羽を訪れ、海女さんたちの自然観を聞く。

 神宮では、大正12年に作成された森林計画によって3つの森に分かれていて、第二宮域林では御用材の檜を育てている。神宮にとっての森とは何だろうか。 日本に古くからある神道という宗教では、八百万の神が信じられ、古木や山だけでなく、森、川、海にも神が宿るとして、信仰の対象としてきた。 その神道の聖地、伊勢神宮では、神宮を取り巻く自然の中で得られた海の幸、山の幸を神さまに供えてきた。 日々、自然の恵みを神々にお供えをする伊勢神宮。人と自然がともに生きるとは、どのようなことなのか。日本人は森とどうかかわってきたのか。

 人と自然の共存には何が必要なのだろうか。神宮と自然について考える。

[出演]
 草野満代(フリーアナウンサー) 森 誠一(岐阜経済大学教授)
 倉田克彦(神宮司庁営林部 神宮技師) 宮脇 昭 (横浜国立大学名誉教授 理学博士)
 スヴェン・ヴァス(デンマーク 建築家) 前野博紀(華道家)
 夢輝のあ