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●第5回 『お伊勢まいり』 

「一生に一度はお伊勢さん」

庶民にとってお伊勢参りとは、何だったのでしょうか。 太平の世となった江戸時代、お伊勢参りは庶民の憧れといわれ、全国津々浦々から伊勢を目指して人々がやってきました。 人々は伊勢講を組織し、お金を貯め、農閑期を選んで代表者がお参りをしました。 峠を越えたり、川止めにあったり、時には怖い思いをしながらも、街道沿いの名所旧跡に立ち寄り、伊勢を目指しました。

落語「東の旅」を演じる落語家・桂文珍さん。大阪から見れば東に位置する伊勢神宮へ向かうお伊勢参りの旅が、東の旅。 大阪からは奈良街道暗峠を越えて奈良へ行き、さらに青山峠越えの初瀬街道や伊勢本街道を通る、峠越えの多い道中でした。 桂文珍さんは、おはらい町を歩き、旅を楽しんだ当時を思い返すほか、『東海道中膝栗毛』にも登場する、 江戸時代に創業し戦災を逃れ、往時の古市を語る貴重な存在である麻吉旅館で、「七度狐」を演じます。

また、道中に神社仏閣に立ち寄るのも旅の楽しみでした。内宮の近くには「お伊勢参らば、朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」といわれた朝熊山があります。 夢輝のあさんは、お伊勢参りにかかせない神社仏閣を巡り、 お伊勢参りを通して、祈りを楽しんだ日本人の旅、「お伊勢参り」の意味を問います。

[出演]
 桂文珍 金森敦子(歴史家) 夢輝のあ

[主な取材先]
・奈良市内初瀬街道 暗闇峠
・伊勢市内
・角屋(津市安濃町椋本)
・二川宿歴史資料館(愛知県豊橋市)