車の保有めぐり「生活保護支給停止は違法」 身体障がいある女性の訴え 鈴鹿市に停止取り消し命じる判決
保有する車の資産価値を示す見積書を提出しなかったことを理由に、三重県鈴鹿市が生活保護の支給を停止したのは違法だとして、身体障がいのある70代の女性が市に停止処分の取消しなどを求めた裁判で、津地方裁判所は26日、原告の訴えを認める判決を言い渡しました。
訴状などによりますと、70代の女性は手足などがしびれる病気で働くことができず、2019年から鈴鹿市の生活保護を受けていました。
鈴鹿市は女性が通院に必要として求めた車の保有は認めず、2022年11月、車の見積書を2社分以上提出するように求めましたが、指導の指示に従わなかったとして生活保護の停止を決定しました。
これに対して原告側は、2019年にディーラー作成の見積書を提出したにもかかわらず、指示に従わないことを理由に支給を止めたのは裁量権の乱用にあたると主張していました。
津地方裁判所で開かれた裁判で竹内浩史裁判長は「車の見積書の追加提出を求めた指導は違法であり、生活保護を停止すれば日常生活だけではなく生命の危機も生じ得るものでもあり、原告が被った不利益は甚大だ」として、鈴鹿市に対し生活保護停止の取り消しを命じました。