強風で閉まったトラックウイングに挟まれケガ のり面崩落の桑名北高は水道やトイレ使用できず 三重の台風影響
三重県では台風10号の影響により長時間にわたって雨が降り続き、川の増水により堤防の一部が崩れるなどの被害が出ました。県内では2人が軽いケガをしました。
三重県では台風の接近に伴い暖かく湿った空気が流れ込み、8月25日夕方から雨が降り、9月2日未明にかけての総雨量は大台町宮川で745ミリ、尾鷲で707ミリ、津市で8月平均値の約4倍の618ミリを観測しました。
8月29日から31日までの72時間では1976年の統計開始以来、最大となる471.5ミリを記録しました。
31日、松阪市と大台町の一部地域では合わせて約1万7000世帯約3万4000人を対象に、最も危険性が高い警戒レベル5にあたる「緊急安全確保」が発令されました。
2021年に従来の「避難勧告」などの用語が改められて以降、県内で「緊急安全確保」が出されたのは初めてです。
津市では住宅8棟の床下浸水の被害が確認されたほか、松阪市でも住宅6棟の床下浸水が確認されました。
台風の影響で2人が軽いケガをし、津市の90代の男性が自宅前で転倒し、顔と手に軽いケガを負ったほか、四日市市では50代の男性が、トラックのウイングが強風で閉まり挟まれ、病院に救急搬送されましたが軽傷でした。
長時間にわたって降り続いた雨により、松阪市内を流れる堀坂川では堤防が約30メートルにわたって崩れる被害が出ました。
この影響により、松阪市田牧町の52世帯101人に発令されている警戒レベル4にあたる「避難指示」は、川の応急復旧工事の完了後に解除される見込みです。
また、道路脇の「のり面」が台風の影響で崩落した桑名北高校では、新たに給水管が損傷していることが分かり、校内の水道やトイレが使用できないため再開のメドがたっていません。
紀北町の民家の裏山の斜面では、小規模な土砂崩れが起きましたが住民にケガはなかったということです。
そして、JR各線や近鉄などでは台風による大雨の影響で運転の見合わせが相次ぎ、きょう2日もJR名松線の全線で終日、運転を見合わせています。
津エアポートラインは2日、始発から通常運航を行っていましたが、海上に流木や浮遊物が浮いている場所があるとのことから、安全を確保するため夜間は運航を停止します。