仲間と仕事を楽しむ 紀南地域医療の活動
地域医療に不可欠な医療や介護など多職種の連携を深めようと取り組む紀南地域の活動を取材しました。
三重県の最南端・紀宝町で、約5年前、在宅診療所を開業した濱口政也さん。現在は、40代から100歳以上までの約90人を受け入れ、患者さんの自宅や施設で診療しています。
地域医療を行う上で欠かせないのが、医療や介護、福祉関係者の繋がりです。研修会や交流会など、多職種の連携を深める取り組みを、濱口さんは中心となって進めてきました。
濱口さんは「在宅医療を受ける高齢者や病気を抱えている人には、ヘルパーやケアマネジャーなど家での生活を組み立てる人たちがいて、その中で、僕らの医療があるので、その人たちと情報を交換しながらやらせてもらっている。お互いに連携ができるようになり、フラットに情報交換ができるようになってきた」と話します。
多職種連携を深める取り組みとして、紀南地域で運動会も行われていて、医療・介護・福祉関係者らが家族とともに参加し、3回目となった今回は約200人が集まりました。
参加した医療従事者からは「最初は落ち着いてやろうと思ったが、ヒートアップしてしまい我を忘れて頑張った。この地域は人的資源が少ないが、参加している子どもたちや若い人が多くいて、これからまだこの地域も安心だと思った」、「ここで出会った人と仕事で会うこともあり、地域で仲良くなれるのがいいと思う」などの声が聞かれ、医師を志す大学生は「病気を治すだけでなく地域の人と関わって、心まで豊かにし、それが生きがいになっていく、そういう場所を作ったり参加したりすることが大切だと感じた」と話しました。
濱口さんは「仕事の延長上で、家族も含めて『楽しかったね』と言えることがあるのは、自分の仕事を語るときの一部になり、とても前向きになれる。仕事で大変なこともあるが基本は楽しみながらしないと長続きしない。仕事を楽しんでもいいんだと思える地域にしたい」と想いを語りました。