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映画だからこそ伝わるメッセージ :2006年11月30日「時が解決してくれる」なんて言葉があるけど、そんな言葉が通用しない出来事がこの世の中にはあるのだと感じました。
アメリカ人ジャーナリストが、日本の拉致事件をテーマに、横田めぐみさんにスポットをあててつくりあげたドキュメンタリー映画「めぐみ 引き裂かれた家族の30年」。
めぐみさんの拉致から二年後に小川宏ショーという番組で、娘の安否情報を呼び掛ける若き横田夫妻と、すっかり白髪になってしまった70歳を越える今の夫妻の姿がオーバーラップされるシーンからは、時の重み、残酷さを痛感せざるを得ませんでした。
当時を振り返り、「弱虫で自分がぺちゃんこになりそうでした」と母親の早紀江さん。これほどまでに精神的に強い方がいるのだろうかと思いながら、いつもテレビを見ていましたが、強くならざるを得なかったんだということを、この映画は教えてくれます。
その強さも、激しいものではなく、何か仏のような強さを感じます。
「めぐみさん死亡」との北朝鮮からの発表を受けた直後の会見で、早紀江さんが発した「いつも、めぐみのことを思って報道してくださってありがとう」という言葉。そんな時に、人への気遣いを見せる早紀江さんに、ただただ驚くばかりでした。
一方、父親の滋さんも、「めぐみさんを取り戻したい」という思いから、今でも殺人的なスケジュールをこなして活動をされています。めぐみさんが拉致された前日が、滋さんの誕生日だったそうで、そのときに、めぐみさんからプレゼントされた櫛を今でも大切に使っていらっしゃる姿はたまりませんでした。
ところで、今回初めて、めぐみさんの肉声を聴くことができました。小学生のときに、コーラスで独唱するめぐみさんの歌声がテープに残されていたものです。めぐみさんがソロで歌っている『流浪の民』のフレーズは、「慣れし故郷を放たれて、夢に楽土求めたり」。この後、めぐみさんに待ち受けることを暗示しているようで、胸がしめつけられます。
これまでも拉致問題に関しては、テレビで特集されてきてはいますが、一過性の報道になりかねません。様々な国の人たちに、この拉致事件について知ってもらうには、映画だからこそ伝えられるものがあると感じました。
何も罪のない人が30年間、血の滲むような思いをして過ごしている現実を、私たちは決して忘れてはいけないと感じました